はじめにーとある夢の話

夢を見ました。

私は狂女で、なのに幸せでした。

幼児のように無邪気で、だからこそ狂っている。

精神病院に入院していて、親や恋人がいつもお見舞いにきてくれます。

好きな人に囲まれて、愛してもらえて幸せ。そんな日常。

それでも、やることがなく暇です。そんな私に院長が提案をしました。

「何か作品を作ってみよう。私たちはそれを3ペンスで買うよ」と。

私は、これでお金が稼げる。親に恩返しができる、と夢中になって絵を描きます。

(私は変だ。でもだからこそ、素晴らしい絵が描けるはずだ。私にしか描けない絵だから。きっと3ペンスってすごい大金なんだろう)

絵を描くことはもともと好きです。夢中になって描いていきました。そんな私を、親や恋人は優しい目で見つめます。私はますます、幸せな気分になりました。

 

という夢だったんです。客観的に考えたらけっこう不幸せな状況ですよね。入院するほど精神を病んで、きっともう外には出られない。

それなのに、起きたときの私は、すごく満たされた温かい気持ちでした。

愛する人に囲まれて、好きなことをする。それは何事にも変えがたい幸福なのかもしれません。

 

で、起きて調べてみたんですよ、3ペンスっていくらなのか。よく分からない単位を夢にだすなよ自分、と思いつつ。

そしたら、1ペニー(ペンスは複数形。単数だとペニー)=約2円。

3ペンスは6円ほどだったんです。

まさに二足三文。

私が一生懸命描いていた絵は、なんの足しにもならない、笑っちゃうような値がつけられていました。

 

それでも、私は幸せだった。

愛されて、好きなことをして。狂っていても、一生懸命描いた絵で3ペンスしかもらえなくても。

このブログも、私が一生懸命書いたところで、きっと大した価値はありません。

見てくれる人がずっといないかもしれない。それでも、自分が人生を楽しむためにやるんです。

たとえ、3ペンスの価値だとしても。

 

という訳で、はじめさせていただきます。よろしくお願いします。